動物を迎えたら、健康を管理することも飼い主の大切な仕事です。その動物に合った食事を与えたり、環境を清潔に整えたり、一緒に遊んだりして、元気に生活を送れるようにしてあげることが大切です。そして、病気にならないように予防をしてあげる必要があります。
狂犬病予防:犬
犬を飼い始めたら30日以内に飼い犬の登録をして、毎年、狂犬病予防注射を受けさせることが法律で義務付けられています。
狂犬病は、人をはじめ全ての哺乳類に感染する人と動物の共通感染症です。主に狂犬病ウイルスを持つ犬にかまれることで感染し、発病した場合は、治療法もなく亡くなってしまう非常に恐ろしい病気です。
狂犬病予防法が制定される前の日本では、狂犬病で苦しむ人や犬がたくさんいましたが、今は日本で狂犬病の発生はありません。
しかし、今でも世界中で、毎年5万人以上の人々が狂犬病で亡くなっています。今の社会は外国との交流が盛んなため、いつまた狂犬病が日本に入ってきてもおかしくはありません。そのために、保健所が犬の飼育頭数を把握して、犬に狂犬病予防注射をしておくことで、狂犬病が日本中に広がることを予防しているのです。
伝染病予防:犬・猫
犬や猫も人が風邪を引くのと同じように、簡単に近くにいる動物からうつされる病気があります。中には命に関わる恐ろしいウイルスや細菌の感染症もあります。また、動物から人へうつるものもありますので注意が必要です。人にはうつらなくても、同じ動物同士でうつってしまう感染症は予防注射をすることで防ぐことができます。定期的なワクチン接種を心掛けましょう。
フィラリア予防:犬
犬の代表的な寄生虫の感染症として犬糸状虫症(フィラリア症)があります。犬が蚊に刺されたときに、フィラリアという寄生虫を犬の血液の中に残していきます。
このフィラリアは心臓や血管に寄生し、放っておくと、犬が亡くなってしまう可能性のある恐ろしい病気ですが、予防薬を使うことで100%防ぐことができます。
外部寄生虫(ノミ・ダニ)予防:犬・猫
ノミやダニなど、犬や猫の体の外側に寄生する虫もいます。これは、人にもうつってとてもかゆかったり、熱が出たり、ときには人間が亡くなってしまう病気も一緒にうつることもあるので定期的に予防や検査をしましょう。
内部寄生虫(おなかの虫)予防
そのほかにも回虫などお腹の中にいる寄生虫もいます。主にフンや地面から感染します。定期的な予防と排泄物の適切な取り扱いを心掛けましょう。特に、子犬はお母さんから感染してしまっていることもあるので、飼い始めのときは動物病院の先生に教えてもらって定期的に便検査をしてあげましょう。
台湾での狂犬病発生
台湾は、日本、オーストラリア、ハワイなどとなら並び、狂犬病が長期に渡り発生していない世界でも数少ない地域の一つでした。しかし、平成25年7月に野生のイタチアナグマが狂犬病に感染していたことが分かり、台湾は狂犬病発生国となりました。また、同年9月には狂犬病に感染したイタチアナグマにかまれた犬が狂犬病を発症しました。
日本でもいつ発生するか分かりません。犬の飼い主のみなさんは、狂犬病予防法に基づく登録・予防注射をしましょう。