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動物通信

救急の備え〜いざという時に慌てないために〜

救急の備え
〜いざという時に慌てないために〜


はじめに
こんな時は救急病院へ
夜間救急動物病院について
慌てないために


 はじめに

救急の備え はじめに私たちがケガをした場合や病気になった場合には、近所の病院へ行き、診察をしてもらいます。また、急病の時には、救急車を呼んで救急対応をしている病院へ連れて行ってもらいます。ところが、ペットのワンちゃんやネコちゃんの場合は、救急車を呼ぶことができません。昼間であればすぐにかかりつけの動物病院へ連れて行けばよいのですが、休日、夜中にペットが急に体調を崩した時や、ケガをしてしまった時には困ってしまいます。そのような時にはどうすればよいのでしょうか。
最近は日曜日や祝日も診察してくれる動物病院が増えてきています。また、夜中に急病のペットを診てくれる夜間救急動物病院もだんだん増えていて、休日や夜中でも診察を受けられるようになってきています。ペットと暮らしている私たちにはとても心強いですが、夜間救急動物病院にはあまり行ったことがないので、気軽に連れて行くのは少し考えてしまいます。夜間救急動物病院とはどのような所で、どのように利用すればよいのでしょうか。


 こんな時は夜間救急動物病院へ

私たちがちょっとカゼを引いた時や、軽いケガをした時には救急病院へ行くことはないですが、動物の場合はどうなのでしょうか。人間の場合は、とても具合が悪い時には自分で病院へ行くか、救急車を呼びますが、ペットは自分で病院へ行くことはできませんし、言葉も話すことはできませんから、私たちがペットの様子を見て夜間救急動物病院へ連れて行くべきか考えなければいけません。すぐに動物病院へ連れて行った方がよい場合とはどのような時なのでしょうか。

●食べてはいけない物を食べてしまった時(誤食)
薬、おもちゃのかけら、玉ねぎやチョコレートなど、中毒を起こすものや腸に詰まってしまうものを食べた時には、すぐに病院へ行きましょう。
食べてすぐなら胃の中に入っていますから、すぐに吐かせるなどすればトラブルを起こす前に回収できます。食べてしまった物によって対応が変わってきますから、すぐに動物病院へ電話をして、獣医さんにどうしたらよいか教えてもらい、その指示に従いましょう。

●吐いたり下痢をしている時
比較的よくある症状なので、救急で診てもらうべきか迷ってしまうことが多いです。ペットが1〜2回吐いたり、下痢をしてしまっても、とても元気ならばあまり心配ありません。
吐いたり下痢をしたりする回数が多い時や、元気がなくぐったりしている時には、早めに夜間救急動物病院へ行った方がよいでしょう。特に、お腹が膨れてきた時などは、直ちに動物病院へ連れて行きましょう。

●呼吸が苦しそうな時
口を開けて呼吸している時、ぐったりして舌の色がいつものピンク色よりも薄かったり、紫色になっていたりする時、呼吸がとても速い時などは、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
このような時には呼吸困難をおこしてしまっているかもしれません。お家で様子を見たり、安静にしたりするよりも、すぐに動物病院で治療をしてもらいましょう。

こんな時は夜間救急動物病院へ ●ケガをしてしまった時
交通事故の時はもちろんですが、抱えていて落としてしまったり、ドアに挟んでしまったりなど、見た目ではケガをしていないように見える場合でも、元気がなかったりどこかを痛がっていたりする時には、動物病院で診てもらいましょう。
特に、足よりも体を強くぶつけてしまった時には注意が必要です。体をぶつけた時は傷がなくても体が大きなダメージを負っていることがあります。

●発作を起こした時
すぐに動物病院へ連絡して連れて行きましょう。発作は大体1〜2分で治まりますから、発作中はペットを落ち着かせるようにして、発作が治まったら速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
また、5分以上続く長い発作や1日に何度も発作が起こる場合は特に危険な状態ですから、夜中でも必ず動物病院へ連れて行きましょう。

●熱がある時、体が冷たい時
動物が体調を悪くして熱がある時には、元気がなくなったり食欲がなくなったりします。とても熱が高くて呼吸が速い時には、体を冷やして、すぐに動物病院へ行きましょう。また、体が冷たくて元気がない時も、体を温めてすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

●トイレでじっとしている時
トイレでじっとしている時は、おしっこが出なくなっていたり、頻尿になっていたりする場合があります。特に、おしっこが出ない時は危険なので、すぐに病院で治療を受けましょう。
また、便秘や下痢になっているときもトイレでじっとしていることがあるので、病院で診てもらった方がよいでしょう。

表1 救急で動物病院へ行った方がよい時
症 状 危険度 いつ病院へ連れていくべきか
呼吸が速い 高 い すぐに
体温が低い 高〜中 すぐに
発作 高〜中 すぐに
落下などの事故 高〜中 痛みが強い、元気がないときは
誤食 高〜低 すぐに
吐き気・下痢 高〜低 元気がないとき、繰り返すとき
トイレでじっとしている 高〜低 遅くとも翌日には病院へ
熱がある 中〜低 高熱ならすぐに
体のかゆみ 低 い 掻き壊すならすぐに


夜間救急動物病院について  夜間救急動物病院について

夜中に具合の悪いペットを助けてくれるのが夜間救急動物病院ですが、かかりつけの動物病院と夜間救急動物病院の違いは何でしょうか。それぞれどのように利用すればよいのでしょうか。
かかりつけの先生は、病気やケガをしたペットの治療や、予防注射、しつけの相談など、様々な「困った!」を助けてくれる頼もしい存在ですね。
それに対して夜間救急動物病院は、昼間は閉まっていて、かかりつけの動物病院が閉まっている夜中にペットの治療をしてくれる病院です。日常の予防注射や相談受付などはやっていません。
夜間救急動物病院ではケガや急病のペットが来ると、すぐに診察をして必要な検査や治療をしてくれます。特に、重症のペットの時には緊急で手術や入院治療をすることもあります。その場合は朝までは夜間救急動物病院で入院・治療をして、朝になったらかかりつけの動物病院へ移動して引き続き治療をしてもらいます。
その後は、どのような病気でどのような治療をしたのか、かかりつけの動物病院へ手紙を書くなどして、直接連絡をしてくれますから、翌日からはいつも診てもらっている動物病院の先生に引き続き治療をしてもらいましょう。
ペットが夜中に具合が悪くなってしまった時には、まずは夜間救急動物病院へ電話をしてみましょう。


 慌てない為に
ペットに緊急事態が起きた時、慌てずに適切な対応をするためには事前に準備をしておくことが大切です。
言葉の話せないペットだからこそ、飼い主さんが体調管理をしてあげることが重要です。そして、生きているからこそ急に体調を崩す事もあります。その時に冷静に対応できれば、ペットも早く元気になってくれるでしょう。
下記に挙げたことに注意して、いつ緊急事態が起こっても対応できるように、普段から準備しておきましょう。

普段から常に健康状態に気を配りましょう ●病気予防をしましょう
普段からペットのことを注意して観察していると、体調の変化に気付きやすくなります。
急激な変化はなくても、元気がなかったり、食欲がなかったり、吐いたり、歩き方が変だったりと、少しでも気になることがあれば、なるべく早く獣医さんに相談しましょう。病気を早く見つけることができれば早く治りますが、治療が遅れると助からないこともあります。
ペットの健康管理は飼い主の責務です。日頃からペットの身体をよく触ったり、歯磨きをしてあげたり、爪を切ってあげたり、耳掃除をしてあげたり、シャンプーをしてあげたり、という習慣をつけましょう。

●普段から常に健康状態に気を配りましょう
ペットの健康を守るための基本は病気の予防です。
その中でも、大切なのは感染症から体を守るためのワクチン接種とノミ・マダニ・消化管内寄生虫などから体を守るための寄生虫予防です。ペットが元気にお散歩に行ったり、家の中で生活したりするためには感染症を予防することはとても大切なことです。年間スケジュールを立てて、必要な回数を適切な時期に受けさせましょう。
また、ペットの交通事故にも注意しましょう。
ワンちゃんをお散歩に連れて行く時には明るい時間帯に行く、なるべく道路側を歩かせない、首輪や胴輪のサイズが身体に合っているか、リードは外れないか、など安全に十分注意しましょう。
外に出かけるネコちゃんは交通事故も多いので、なるべく外に出さないで家の中だけで生活させるようにしましょう。

健康手帳を用意しましょう ●できるだけ近所にかかりつけ動物病院をつくりましょう
ペットを安心して診てもらえるような先生やかかりつけ動物病院を探しましょう。
小さい頃からかかっている病院では、ペットの性格、ワクチンや予防接種の状況、今までかかった病気の有無のことや、使用中の薬のことなど、よくわかっていますので、いざという時にスムーズに診察を受けることが可能です。
かかりつけ動物病院では、健康な時に血液検査を含めた健康診断を定期的にするとよいでしょう。体調が悪くなってしまった時には、その結果を参考にできるので病気の発見がしやすくなります。体調の悪い時に初めて行く病院だとペットが緊張してしまうかもしれません。健康な時にも予防などで病院にかかることも大切です。
また、外出先でもペットの相談をかかりつけの先生に相談できるように連絡先を常に持ち歩くとよいでしょう。

●夜間救急動物病院を探しておきましょう
かかりつけ動物病院が休診の日や夜間などに診察をしてもらえる病院を探しておきましょう。
かかりつけ動物病院によっては時間外でも状況に応じて対応することができる場合や、診療内容を共有できるような提携病院がある場合もあるので、一度相談してみるとよいでしょう。突然のできごとに慌ててしまうこともあると思いますので、事前に電話番号と住所を確認しておくと安心です。また、動物病院へ車で向かう際、落ち着いて運転することが難しい場合には安全のためにタクシーを利用するとよいでしょう。

●健康手帳を用意しましょう
ペットの体重、予防歴、病気の治療歴、使用中の薬などを記録した手帳を作っておくと健康管理に役立つだけでなく、初めて診察を受ける動物病院でも、ペットの状態を把握しやすくなります。
また、緊急時には飼い主さんが動揺してしまい、これまでの病歴や使っている薬などをすぐに思い出せないことがありますので、いざという時のために健康手帳があると便利です。

旅行先でも注意が必要です ●旅行先でも注意が必要です
夏休みなど休暇を利用して、ワンちゃんと一緒に旅行をすることもあると思います。ワンちゃんが体調を崩して楽しい旅行が台無しにならないようにあらかじめ準備をしておきましょう。
旅行前からの準備としては、乗り物酔いをするワンちゃんには酔い止めの薬を、お腹を下しやすいワンちゃんには下痢止めの薬を獣医さんに処方しておいてもらうとよいでしょう。
旅行中はなるべく食べ慣れた食事を与えるようにしましょう。
慣れない場所でのお散歩も十分注意しましょう。旅行先では気候の変化に注意しましょう。特に、夏の時期には熱中症にも注意が必要です。
また、変な物を食べてしまった、嘔吐が続いていて元気がない、食欲がないなどの状況の時には、なるべく早く近くにある動物病院を受診しましょう。


 夜間の動物診療について

●夜間診療の当番病院を知るには
・方法1
公益社団法人東京都獣医師会ホームページにて当日の午後6時から11時までの間、当番病院をお知らせしていますので、最寄りの病院に連絡してください。
(ホームページアドレス:http://www.tvma.or.jp
・方法2

当日午後7時から11時の間に下記の夜間診療専用電話に電話してください。代表の当番病院に電話が転送されますので、住所や状況を伝え、最寄りの当番病院を紹介してもらってください。

夜間診療専用電話:03 − 3405− 0621

※夜間ですのでお間違えのないようにご注意ください。


〜あとがき〜

私たちと同様にペットの動物も急病になったり、ケガをしてしまう時がありますが、そのような時の助けになればと思い今回のテーマとしました。
休日や夜中などにどこの動物病院へ行くか決めておくだけでも、冷静に行動できますので、ぜひ実践していただければと思います。
皆様のペットライフの安全と幸福をお祈りいたします。


編集
東京都獣医師会杉並支部
イラスト制作
女子美術大学 学生作品
発行・監修
杉並保健所生活衛生課 (〒167−0051)杉並区荻窪5−20―1 (3391−1991)
平成27年11月発行


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